最後方からみえる世界

GKを分析的にみる

W杯対戦国GK分析-セネガル編-

(まず第1戦コロンビアのGK紹介すべきだろ!とツッコミを受けそうですが、あらかじめ言っておきます。ごめんなさい)

 

 第2戦で戦うセネガル。マネやケイタ、クリバリに目が行きがちだがGKも侮れない。おそらく先発するであろうGKを紹介する。

 

ルフレッド・ゴミス(セリエA SPAL所属)194cm85kg

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web.ultra-soccer.jp

海外の基準だと規格通りの体格。今シーズンリーグ戦26試合出場。今季中盤に出場機会を失ったものの、34節ローマ戦での途中出場以降スタメンが続いた。

実は代表キャップが1試合しかないが、欧州トップリーグでプレーしているセネガル人GKがひとりだけなので、おそらくW杯本戦ではスタメンで出てくるだろう。

この記事を書くために、今季SPALで出場した試合のハイライトを全てチェックした。全ての側面をみられた訳ではないが(ハイライトなので)、失点シーンは全部みられたので、そこから分析。さらにセーブシーンを切り取って特徴もある程度は把握できた。完全な自己流かつ、ひとりの選手を深く分析するのは初めてなので、読む人によっては物足りなさを感じるかもしれないが、どうぞお付き合いください。

本記事の構成は①今季出場全試合からみられた特徴、②フットボリスタに掲載された、林舞輝氏による対戦シミュレーションとウルティモウオモによる分析を参照して考えうる日本代表の得点パターン、の2つ。

 

 

①今季出場全試合からみられた特徴

ⅰ. エリア外からのシュートにめっぽう強い

 失点パターンをみて気づいたのだが、今季41失点のうち、10節ユーベ戦でディバラに直接FKを決められた以外は、全てエリア内でのシュートによる失点だった。参考のため言っておくと、今季、あのデヘアですらエリア外のシュートで2失点している(29節クリスタルパレス戦、36節アーセナル戦)。

概して、反応速度はトップレベルであり、弾きかたも心得ている。トリノ下部組織で薫陶を受けたイタリア人のようであるとも言える。

 

ⅱ. 守備範囲が広い

 特に前への意識が強く、エリア内にこぼれたルーズボールへ果敢に飛び込みプレーを切ることができる。

初動を見ても迷いがなく、イーブンな状況を走力でカバーできるほどのスピードを持ち合わせている。単純にゴール前へのスルーパスはブレイクアウェイされてしまうだろう(そもそもセネガルはCBが強固だが)。

以上2つが主な特徴だ。

 

②フットボリスタに掲載された、林舞輝氏による対戦シミュレーションとウルティモウオモによる分析を参照して考えうる日本代表の得点パターン

 

もっとも私自身、分析官ではないので、これが果たして有効な分析となりうるかわからないが、試みていく。

まずは今シーズン、アルフレッド・ゴミスが喫した失点パターンをみる。それぞれの区分が曖昧、または見逃している可能性がなきにしもあらずなので、大体のデータだということをご了承願う。

GKというポジションの性質上、一対一の失点割合が高いのはやむを得ない。ポイントは次に割合が高い「浮き球クロス」そして「ゴロのクロス」からの失点だ。ここに焦点を当てる。

と言いつつ話を変えて、セネガル代表について。フットボリスタに掲載された分析レポートによると、セネガル代表は屈強なCBを擁する一方で、SBに守備の問題を抱えている。特に、敵陣orミドルゾーンにおいて両SBの裏のスペースを容易に使われている、とのことだ。さらに、SBの裏を使われた際にCBがカバーする意識が強すぎる(らしい)。よって日本の狙い目はアタッキングゾーンでのハーフスペース有効活用にある。

ハーフスペース活用によって、突破はできたとする。最後に必要な仕上げ(得点)をするためにはどうすべきか。このGKを攻略する、そのヒントが37節トリノ戦から得られるだろう。

概してアルフレッド・ゴミスは、ゴロのマイナスクロスからシュートに弱い。そしてそれを防ぐ手立てを持っていない。反応速度が追いつかないほどのスピードで展開されるゴール前の状況では、反応速度に頼らない手立て(フェンスや5-point blockなど)が必要とされる。ハイライトを見た限りではその手立てを彼は持っていない。

よって、ハーフスペース攻略後の最終仕上げは「ゴロのマイナスクロス」を推奨したい。確かに他のパターンでも、例えば彼の失点パターンで2番目に多い浮き球クロスからの失点だが、屈強なCB2人を揃えるセネガル代表相手には通用するだろうか。また、GKとの一対一の状況を生み出せれば得点を奪えるかもしれないが、確率としては推奨したパターンが可能性が高いと私は見ている。

 

以上で素人分析官のレポートを終わりとする。

 

 

おまけ

一番怖いのが、いざ日本と戦うピッチを見た時にゴミスではない誰かがゴールを守っていることだ。というか、ゴミスを先発予想している媒体を私は見ていない。