コロンビア戦の直接FKに関する分析
まず、
FK失点で「ボールにアタックしろ!」と言う前に、前段階の「準備の質」について論じない人間は無視してよろしい。
— Rene Noric🇩🇪🇮🇸🇭🇺🇦🇹 (@ReneNoric) June 20, 2018
んで、基本的な壁と立ち位置の設定はこんなもん。
この状況で考えうるシュートコースは大きく分けて3つ。①右上②左上③左下(川島目線)。
— Rene Noric🇩🇪🇮🇸🇭🇺🇦🇹 (@ReneNoric) June 19, 2018
①は立ち位置で防いでる。②は壁が飛んでるので防いでいる。だから③に集中したけどコースが良くてゴールを許した… pic.twitter.com/vxU7SuGaiF
なのでまあ、どっちもどっち。どちらにリスクを大きくかけるかですね。
— Rene Noric🇩🇪🇮🇸🇭🇺🇦🇹 (@ReneNoric) June 19, 2018
GKはあらゆる可能性のなかで相手の選択肢を削って残ったものに全力で対応する。全ては防ぎきれないから。
— Rene Noric🇩🇪🇮🇸🇭🇺🇦🇹 (@ReneNoric) June 19, 2018
そしてボールへのアクションである。
ただ、その前にひとつ断らないといけないのは、
なんだ。日本側もキッカーのスカウティングは出来てたのかよ。 https://t.co/zRtqxLgzN2
— Rene Noric🇩🇪🇮🇸🇭🇺🇦🇹 (@ReneNoric) June 20, 2018
そもそもシュートの軌道予測がニュートラルな状態ではなかった可能性がある。「超えさせないために壁はなるべく飛べ!」→「超えてきた」はこちらの設定を超越しただけだが、一方「下を抜けさせないために壁はつま先を地面に残せ!」→「抜けてきた」は話が違う。下は飛ばなけりゃ抜けない。抜けるにしても誰かに当たる可能性が高い。
なので、僕の基本的なスタンスは「壁にバグが起きたのに、ボールへのアクションを批判するのはフェアじゃない」だ。あのシーンを見て即座に「ボールにアタックしていない!」などと言うのは頭が狂ってる。まず見るべきは壁と立ち位置、駆け引きだろう。
バグを起こした側についても同じように批判はフェアじゃない。W杯の舞台、僕らの想像を超えるような重圧と精神的・肉体的疲労で、いつもなら出来た動きが出来なかった可能性が高いから。
その点を考慮に入れてもらって、じゃあまだ論じていない駆け引きについてはどうだろう、ボールへのアクションはどうだろう、である。
駆け引きはあったのか、と問われたとき、確かにあったと言える。
キッカーが助走を始めた時、実は左へ半歩ポジションをずらしている。本当によく見なければわからない程度に。動きすぎると逆にファーを狙われる可能性があるから、キッカーにバレない程度に左へ移動したのだ。
ボールへのアクションはどうだっただろう。予測にほとんど入っていなかった「壁下を抜けるボール」に対峙したとき、シュートコースが厳しいと理解した。そう判断した瞬間、次にしたプレー選択は「ボールをギリギリでゴールライン上で触って置いて、ゴールに入った身体をボールに引き寄せてホールドする」だ。
しかし、ボール半個分、間に合わなかった。
この後、川島はノーゴールを主張したが(テクノロジーがあるにも関わらず)、プレー選択とボールに触った瞬間ボールを見てなかったことから、本当にノーゴールだと思っていただろう。反応の遅れこそあったが、蹴られてから数秒で下した決断を信頼していたからだ。
「この一連のプレーに果たして瑕疵があったか」と問われたとき、「明らかにあった」とは言い難い。議論の余地があるとすれば、蹴られる瞬間までの駆け引きの部分だ。
ここからは結果論になるが、バレないようにやった左への移動が半足分ではなく1足分だったら、ボールはライン上に乗っていただろう。おそらく。
これだけ筋の通った一連のプレーを行ってもなお、失点して批判の対象になるのがGKだ(特に日本だと。では批判している人間がプレーに対して検証を行っているのでしょうか)。前にも言った通り、そもそもこのボールへのアクションを批判するのはフェアじゃない、というスタンスなので、もうこれ以上は何も言いません。この記事も僕からは発信しないので、記事読んで「いいな」と思ったら、各々で共有してください。
僕からは以上です。