最後方からみえる世界

GKを分析的にみる

コロンビア戦の直接FKに関する分析

 まず、

んで、基本的な壁と立ち位置の設定はこんなもん。 

 

 

 

そしてボールへのアクションである。

ただ、その前にひとつ断らないといけないのは、

  そもそもシュートの軌道予測がニュートラルな状態ではなかった可能性がある。「超えさせないために壁はなるべく飛べ!」→「超えてきた」はこちらの設定を超越しただけだが、一方「下を抜けさせないために壁はつま先を地面に残せ!」→「抜けてきた」は話が違う。下は飛ばなけりゃ抜けない。抜けるにしても誰かに当たる可能性が高い。

 なので、僕の基本的なスタンスは「壁にバグが起きたのに、ボールへのアクションを批判するのはフェアじゃない」だ。あのシーンを見て即座に「ボールにアタックしていない!」などと言うのは頭が狂ってる。まず見るべきは壁と立ち位置、駆け引きだろう。

 バグを起こした側についても同じように批判はフェアじゃない。W杯の舞台、僕らの想像を超えるような重圧と精神的・肉体的疲労で、いつもなら出来た動きが出来なかった可能性が高いから。

 

 その点を考慮に入れてもらって、じゃあまだ論じていない駆け引きについてはどうだろう、ボールへのアクションはどうだろう、である。

 駆け引きはあったのか、と問われたとき、確かにあったと言える。

キッカーが助走を始めた時、実は左へ半歩ポジションをずらしている。本当によく見なければわからない程度に。動きすぎると逆にファーを狙われる可能性があるから、キッカーにバレない程度に左へ移動したのだ。

 ボールへのアクションはどうだっただろう。予測にほとんど入っていなかった「壁下を抜けるボール」に対峙したとき、シュートコースが厳しいと理解した。そう判断した瞬間、次にしたプレー選択は「ボールをギリギリでゴールライン上で触って置いて、ゴールに入った身体をボールに引き寄せてホールドする」だ。

しかし、ボール半個分、間に合わなかった。

f:id:wan19wan19wan:20180622114401j:plain

この後、川島はノーゴールを主張したが(テクノロジーがあるにも関わらず)、プレー選択とボールに触った瞬間ボールを見てなかったことから、本当にノーゴールだと思っていただろう。反応の遅れこそあったが、蹴られてから数秒で下した決断を信頼していたからだ。

 

「この一連のプレーに果たして瑕疵があったか」と問われたとき、「明らかにあった」とは言い難い。議論の余地があるとすれば、蹴られる瞬間までの駆け引きの部分だ。

 ここからは結果論になるが、バレないようにやった左への移動が半足分ではなく1足分だったら、ボールはライン上に乗っていただろう。おそらく。

 

これだけ筋の通った一連のプレーを行ってもなお、失点して批判の対象になるのがGKだ(特に日本だと。では批判している人間がプレーに対して検証を行っているのでしょうか)。前にも言った通り、そもそもこのボールへのアクションを批判するのはフェアじゃない、というスタンスなので、もうこれ以上は何も言いません。この記事も僕からは発信しないので、記事読んで「いいな」と思ったら、各々で共有してください。

 

僕からは以上です。