今週のGK詳細分析「プレジャンプを巡る話」
GK界隈では散々擦り倒された「プレジャンプの是非」について、ここで議論を始めるつもりはない。選手によって良し悪しの差があるし、慣れ親しんだフォームでプレーする方が良いパフォーマンスを生むだろうから。
それを理解した上で話を始めよう。今週の議題はチェルシーvsアーセナルのムヒタリアンの得点シーンだ。まずはプレーを見ていただく。
ご覧の通り、ケパはプレジャンプするとき、腕を後ろに大きく振っている。結果的に低弾道のシュートに手が間に合わず、弾ききれずに失点を許した。
この失点は現地でも議論になっているようだ。
He's trying to generate momentum, but Kepa seems to swing his arms behind his back far too much. This naturally means he has less control of his right-hand when trying to reach Mkhitaryan's low-driven shot. #CHEARS pic.twitter.com/pbeydSOg98
— Rich Lee (@DickieLee) 2018年8月18日
”勢いを生み出そうとしているが、ケパは腕を後ろに大きく振りすぎているようだ。ムヒタリアンのシュートに手を伸ばそうとするとき、右手のコントロールができていない”
Kepa’s arm swing is excessive, isn’t it? Really exaggerated and definitely costs him time getting down to Arsenal’s first goal.
— David Preece (@davidpreece12) 2018年8月19日
”ケパの腕振りはやりすぎだろう。本当に大袈裟だし手を下ろす時間がかかる”
この失点の場面に限らず、プレジャンプの際に腕を後ろに振るクセがケパにはある。
— ReneNoric (@Rene_Noric) 2018年8月21日
ただ、これを”クセ”といっていいのだろうか。
常にこの振る舞いをしているわけではない。
— ReneNoric (@Rene_Noric) 2018年8月22日
近距離のシュートではこの振る舞いが現れない。
いくつかケパのプレー集を見ていて気づいたのは、「中距離のシュート」に対して、腕を振る傾向があることだ。なぜだろうか。
考えられるのは、先ほどの英語のツイートでもあった通り、「勢いを生む」ためだ。隅を突いてくるシュートに対し、腕を後ろに振って勢いを生み、そのスピードを生かして、止める。実際にそうして止めるシーンがプレー集にもいくつかあった。
よって、おそらくシュートの距離に応じて、予備動作を変えている。それも意識的に。練習でも見られることから、「意識的に訓練されている」可能性もある。
ひとこと
こういったシーンは今後もあるだろう。よって改善が図られる。策は2つ。①構えを変える②スピードをあげる(慣れる)。①は予備動作の振る舞い自体を変える。②は振る舞いは変えずにスピードを上げる。どちらも時間がかかりそうだ。
以上。