最後方からみえる世界

GKを分析的にみる

今週のPickUpSaves−ポジショニング編−

 さてさて、やってまいりました、今週のPickUpSaves。毎節のセーブの中からいくつか取り上げて解説するコーナーです。今週はレアルマドリーのケイラーナバス。コスタリカ代表の正GKです(最近、コスタリカ代表GKがJリーグにきましたね、楽しみ)。今回のPickUpSaveは、一見普通のセーブに思えるかもしれないが、GKの工夫がそこには隠されてるんだよ、なんとなく食べてるあそこの店のカレーライスにも実は秘密のスパイスが効いてるんだよ、と言いたくなるようなプレーです。では該当のシーンをご覧ください!

 

「なんだ!普通のシュートをセービングしただけじゃないか!!」と思われるかもしれないが、ナバスはこのシーンでポジションチェンジを3回行っている。上空からのリプレイがある(便利な時代になったものだ。非常に見やすい)ので、そちらを参照しつつ、それぞれのシーンのポジショニングを画像とともに見てみよう。

 

・1回目

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相手がこぼれ球をダイレクトで打とうとした瞬間にナバスは深い位置まで下がった。ダイレクトシュートが一番球速が出るので、その速さに反応が追いつくようにするためだ。だが、味方が素早く寄せてくれたので、相手はシュートフェイントを選択。

 

・2回目

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シュートフェイントを相手が行ったので、ナバスは一歩前に出る。相手が足元にボールを持っている状態で、鋭いコースを狙われると、深い位置では届かない範囲が出てくる。よって、ナバスは一歩前に出てコースを消した。だが今回も味方が寄せてくれたので、相手は再びシュートフェイントを選択する。

 

・3回目

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再びシュートフェイントが入ったので、ナバスはもう一歩前に出る。要領は2回目と同様。今回はシュートしてきたが、そこはもうナバスの守備範囲。難なくセーブした。

 

 

ひとこと。
上背のないGKにとってポジショニングは生命線である。一歩の差が守備範囲を大きく変えるからだ。そして、横のポジショニングはOKでも、縦(シューターとの距離)のポジショニングを気にしていないGKは割と多い。立体的に状況を捉えて、その中で最適なポジショニングを常に取り続ける。小さなGKの生きる道はポジショニングやで!と言いたくなるようなナバスのセーブだった。

以上。ではでは。