最後方からみえる世界

GKを分析的にみる

今週のPickUpSaves-相手の状況によるポジション修正編-

 さて、今週もPickUpSaves。やってまいりました。まだヨーロッパでの試合は終わっていませんが、今週はミッドウィークのポカールでのシーンを取り上げたい。というのも、ここ2週に渡ってポジショニングの話をしてきて、もうちょっと掘り下げたい!と思っていたところで、このシーンを見てしまったからだ。2週前のナバスは前後のポジション修正、先週は横のポジション修正と話をしてきた。今週は「後ろに下がる状況」について考えていきたい。今週取り上げるのはドイツ代表のベント・レノ。代表では第3GKで、同年代でバルサのテアシュテーゲンとは仲が悪いとの噂も(一昔前のカーンとレーマンみたいな)あるが、まずはレノのセーブシーンをご覧いただこう。

コーナーキックのこぼれ球、まあよくあるシチュエーションだ。順を追って見ていこう。
はじめ、クリアの直後、レノは前に移動した。

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しかし、こぼれ球がドフリーの相手に渡る。その瞬間、レノはボールから目を切らずにゴールラインまで下がろうとした。

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なぜか?
ボールホルダーの状況は「前を向いてる」「ボールが浮いてる」「前からプレスをかけてくる敵がいる」。この状況で彼がシュートを打つとすればドライブ回転をかけたシュートしかないと、レノは予想した。

ロングシュートでなおかつ弧を描く弾道のシュートの場合、ゴールラインまで下がるのはGKの鉄則だ。前に出ていると頭上を越える可能性があるからだ。

よって、レノはゴールライン付近まで下がる。予測どおり、ドライブ回転のシュートが飛んできたところをギリギリで弾き出す。もしポジション修正してなければ、結果は違っただろう。

 

おまけ
浮き球を持ってる相手にはもちろん注意が必要なんだけど、中には普通にループシュートを狙う上手な選手もいるので、そういった選手相手だとGKは苦労する。余計に駆け引きをしないといけないからね。GKの本音をいえば遠目からでもチャーリーアダムやジェラードみたいにドカンドカンと直線に打ってきて欲しい。そういうの止めるとヒーローになれるから。

 

以上。