最後方からみえる世界

GKを分析的にみる

今週のPickUpSaves−DFとの連携編−

 始まりました、「今週のPickUpSaves」(題名変えました)。毎節のセーブシーンの中からいくつかピックアップしてあーだこーだ言うコーナーです(口が悪い)。

まだ土曜日の試合しか行われていませんが、対照的な2つのシーンがあったので、早速解説していこう。主題は「一対一の状況だけど、出る?それとも出ない?あー!どうすっぺ!?」です。

 

まずはレスターシティーのGKシュマイケル

このシーン。抜け出した相手への浮き球スルーパス。この状況でGKが判断できることは2つ。①飛び出して一対一orボールに飛び込む、②ステイしてシュートに備える。ただ、パスの質が”浮き球”なので、不用意に前に飛び出せば頭上へワンタッチシュートをされる可能性がある。よってシュマイケルは②を選択した。

一方、マグワイアにも2つの選択肢がある。①ゴールラインカバー、②相手に寄せる。そしてその選択はGKの選択によって変わる。GKが上の①を選択すればマグワイアも①ゴールラインカバー、②を選択すればマグワイアも②寄せる。なので、マグワイアは下がっている間にシュマイケルを2度みた(リプレイで確認してみてね)。初めはゴールラインカバーにいこうとしたが…

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この場面は1度目の首振り。このあと2度目があり、シュマイケルが飛び出さなかったので、相手に寄せる判断を下す。

そしてマグワイアは寄せたわけだが、この後のマグワイアのプレーは素晴らしかった。寄せると言っても、ただがむしゃらに突っ込むわけではなく、ファーへのコースを限定してブロックに入った。こう守ってもらえるとGKとしては非常にありがたい(もちろんGKもそういう指示をだす)。残りのコースを全力で防げば良いだけだから。結果、相手選手はファーサイドを狙ったものの、マグワイアがガッチリとブロック。

不用意に飛び出さなかったシュマイケルと、それによって生まれた仕事を完璧にこなしたマグワイア、両者の好判断が詰まったプレーだった。

 

飛び出す判断が中途半端になり、不運な結果を招いたのはハンブルグのポーラースベック。

パスの質が浮き球ならステイした方が良い。上でも書いた通り、不用意に飛び出せば頭上を抜かれる。でも気持ちわかるよ、出たくなるよね、こういう場面。でもステイする勇気も時には必要。GKは失敗から学ぶ。判断の是非は試合や練習後に反省。そういう中で成長する。

 

以上。ではでは。