最後方からみえる世界

GKを分析的にみる

今週のピックアップGK〜失点とセーブを考察する〜

 今週から「ピックアップGK」と題して、毎節のセーブや失点の中からいくつか取り上げて解説していこうと思います。今節は川島永嗣選手の失点とセーブを解説。

まずは該当するシーンの紹介。

先制点を許してしまったが、その後は素晴らしいキーピングで最少失点に抑え、なんとか勝ち点1をもぎ取った。1失点目をみていこう。

川島選手は1対1のこの状況で、ブロッキングを選択した。果たしてその判断はよかったのだろうか。ブロッキングが効果的である条件は2つ。①相手にシュートしか選択肢がない②ほとんどのシュートコースがカバーできている。ではこの失点シーンはどうだろう。

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①の条件は満たしているが、②は微妙なところ。割と距離がある。特にファーのコースは消せていない。ブロッキングは非常に限定された技術。ボールに反応するプレーではないので、状況を間違えれば相手にとってゴールするのが簡単になってしまう。

なので、この状況であれば、低く構えて手で反応した方がセーブできる確率が上がっていたように思う。(それが実現できるほどの反応速度を有しているかはまた別の話)

(補足)

この失点シーンをみて「ブロッキング」と「足でのセーブ」は区別した方が良いと感じた。

このシーンと比較してみると良い。テアシュテーゲンは面を作ってシュートを待っていた。”結果的に”足でセーブしたが、しっかりシュートに対して反応している。川島選手のはシュートの直前にはすでに全身を広げようとしていたので、”反応”はしていない。同様に見える2つのシーンは全く質の異なるプレーである。

 

次に2つ目のシーン。

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失点のシーンとは質が違うが、このシーンはしっかりシュートを待って反応によってセーブができた(もちろんシュート位置が近ければブロッキングの選択肢はあっただろう)。

「反応するか」「ブロックするか」この間の判断で揺れ動くのがGK。よりベターな選択ができるのは経験による予測。どの距離感ならブロッキングで十分なのか。練習あるのみ。

 

最後。

「プレジャンプをしない方が良い」という言説があるが、僕はそうは思わない。もちろんプレジャンプが大きいとそのぶん反応が遅れる場面が多くなるだろう。だけど、プレジャンプしないで反応速度は上がるのか。なので、僕は小さな予備動作を推奨していきたい。主に膝から下を動かして置くことで、目線は変えずに、地面からも足を離さず、なおかつ反応するために良い準備ができる。最後の川島選手のセーブはそのお手本のようなプレー。横移動でも目線は変わらず、足を地面からなるべく離さない。それによって素早い反応を実現する。そういうセーブだった。

 

なんか雑めな文章だったけど、とりあえず言いたいことは書けたのでこれで終わりにする。

ではでは