最後方からみえる世界

GKを分析的にみる

今週のPickUpSaves-横のポジション修正編-

さて、今週もやってきたPickUpSaves。今回は初めてセリエAでのプレーを取り上げる。イタリアの若き守護神、ドンナルンマ選手のセーブ(ちなみに今週末は風邪をひいていて、ろくにサッカーを見ていないのです。みなさん、この時期は体調を崩しやすいので、体のケアを怠らないように)。なぜか偉そうに皆さんへのアドバイスを送ったが、それはそうとして、まずは該当のプレーを見ていこう。

ツイートにも書いた通り、ドンナルンマは適切なポジションを取るために大きな一歩で横移動する。その理由について考察してみる。

まずは1つ目のシーン。
①ゴールの位置を把握できていて、大きく空いたニアのスペースを一歩で埋めた。

このシーン、まずはゴールの位置を把握している。下がっている段階で一瞬ゴールをチラ見。その後、余計なステップを踏まずに一歩で修正する。シュートまでに準備する時間を作ったのだ。結果、思い通りにニアへのシュートをストップ。適切なポジションだった。

f:id:wan19wan19wan:20180206005655j:plain

一瞬ゴールをチラ見するドンナルンマ。

次に2つ目。
②クロスからのヘディングシュートの場合、落下地点を予測してそこへ最短最速で、一歩でポジション修正。そうする事によって、準備の時間を作った。

クロスが上がった→出れない!となった時点で、シュートに対応しなければいけない。その時、適切なポジションに移動する必要がある。このシーン、ドンナルンマは相手の位置と予測に基づき、シュート位置を把握。適切なポジションへ最短最速で移動するために大きく一歩で移動した。それによって再びシュートまでに準備の時間を作る。結果、楽々とビックセーブした。

f:id:wan19wan19wan:20180206005924j:plain

シュート位置を把握するドンナルンマ。

 

まとめ
ドンナルンマが横移動で大きく一歩をとる理由は①どこが適切なポジションか常に把握していて、そこへ最短で移動するため。②シュートまでに準備の時間を作るため。この2点である。ポジション修正は早い方が良いし、準備の時間を作ればそのぶんリラックスしてシュートに挑める。

 

おまけ

 「シュートまでに準備の時間を作る」という観点からいえば、カリウスのこのプレーは最低だ。

弾いたあとは何が起きるかわからない。たとえ数的に味方が多かったとしても、だ。立ち上がった途端にシュートがきて、準備の時間が作れなければ、届くボールも届かない。カリウスのこのプレーはその点で、反面教師的には役に立つ。時間は誰に対しても平等だ。(カリウスを擁護するとすれば、このシーンのチェンバレンの対応は最悪だ。ボールから目線を切ってるし、相手中盤の位置すら把握していない。中盤の選手がやるプレーではない)

 

以上。未だ風邪気味のNORIでした。ではでは。