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GKを分析的にみる

18/19シーズン第21節 マンチェスターシティvsリバプール GK視点メモ

 こんにちは。Rene Noricです。あけましておめでとうございます。2019年もよろしくお願いします。新年一発目のブログ更新です。 いつも通りワンプレー抜粋して解説しようかと考えましたが、試合を通じての解説の方がよりGKの理解に役立つかなと思った次第です。よって今回はマンチェスターシティvsリバプールの一戦をGK視点から解説してみました。再視聴の際のおともにどうぞ。

 

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sky sports premier league

 

 

2:50~ アリソン、グラウンダーのクロス対応。ニアポストから離れたポジショニングでシャットアウト。キャッチした後はSBロバートソンへ配球。トランジションをシームレスに。

 

8:00~ エデルソン、クロス→シュートを正面でキャッチ。ニアにフィルミーノがいたことで、ゴールラインに近いポジショニング。

 

9:30~ アリソン、ビルドアップ。2度深さを作り、自分がボールにプレーしやすい状況を作る。

 

17:00~ エデルソン、マネとの一対一。ボールへアタックできるか否か、判断の難しいボールだったので、エデルソンは迷わず突っ込む。突っ込みながらブロックの形を作るのはエデルソンのお家芸である。ポストに当たったボールへ本能的にキャッチしにいったが、ストーンズも同時に蹴り上げる奇跡。そしてそのボールをストーンズがライン上でクリアした奇跡。動揺が見えてもおかしくない場面だったが、直後のプレーで平気でハイボールをパンチングしに行くあたりは、エデルソンらしかった。

 

40:00~ マンC先制。最も反応が難しい領域を狙われた。

 

52:20~ アリソン、クロスに対するポジショニング。クロッサーの距離がゴールから遠かったかつ、ニアに相手がいなかったので、まずゴール中央に構える。その後、アグエロがニアへの侵入の機会をうかがっていたので、ボール寄りにポジションを取り直した。

 

62:15~ エデルソン、自陣ミドルゾーンからのFK。弾道が低く、目測を誤りやすいボールだった。ハイボール処理を試みるも、味方がヘディング。こぼれ球を拾われ、あわや同点の場面だった。

 

63:30~ エデルソン、リバプールの同点弾。前述の場面と同じく、低弾道のクロス。ロバートソンが折り返しフィルミーノが押し込んだ。エデルソンが一瞬前に出たのは、ボールの目的地がワイナルドゥムだと認知したから。しかしその目的地を超えると判断したあとは、ゴールディフェンスに切り替えている。ひとつめのクロスボールを処理したかったが局面的に難しかった。その要因は、アーノルドが左足に持ち替えたこと。右足→左足になったとき、ポジションを一歩下げている。ゴールに向かってくるボールの処理は、まあ難しい。

 

68:20~ エデルソン、クロスボール処理。今度は成功。スタートポジション(ゴールエリアライン上)がよかったのと、比較的処理しやすい質のボールだった。

 

71:10~ マンC勝ち越し点。その前のエデルソンのスペースディフェンス。ライン背後のケアにプラスして、正確にボールを味方に繋げたことで、味方の決定機を生んだ。

 

81:10~ アリソン、この日のベストプレー。アグエロとの一対一を制したシーン。ポイントは1stタッチの段階でシュートブロックできる間合いに詰めたことと、その後かわそうとしたアグエロに着いて行ったこと。それぞれ第一段階、第二段階と分けて説明すると、第一段階ではダイレクトシュートに備えるためにしっかり減速している。第二段階で、さらに間合いを詰め、シュートの瞬間にボールへアタック。アリソンの戦略勝ちだった。

とはいえ、このスピードで、この戦略を使えること自体、とんでもない運動能力の現れである。プレミアリーグおそるべし。

 

83:10~ エデルソン、試合通じた彼の1番のプレー。スペースディフェンス→ゴールディフェンスへの切り替え時に、下がりすぎず、積極的なポジショニングからコラプシングを用いたセーブ。

 

89:50~ アリソン、Bシウバのシュートを防いだシーン。ニアポストからボール寄りに構え、反応の難しい距離だったが身体に当ててセーブ。

 

ひとこと

両GKともリスタートが速かったので、トランジションがシームレスになり、良いテンポで試合が進んだ。アリソンは2失点したものの、82分のセーブはこの試合のベストプレーを見せた。エデルソンはライン背後のケアに対する意識が高く(画面端から飛び出そうとして止まる、という場面がいくつかあった)、そうしたプレーの継続が勝ち越し点に繋がった。GK視点から観ても楽しい試合だったので、みなさんぜひお試しください。こんな感じでGKのプレーをメモっていく解説は個人的にやりやすかったので、みなさんの反応をみて続けていくか否か決めたいと思います。

では。ばーい。