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カラバオ杯決勝 チェルシーvsマンチェスターシティ レビュー

スタメン

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前半
 チェルシーはエティハドでの大敗のときとは異なり、プレス開始地点をミドルゾーンに設定。中盤に5枚を並べる形でプレッシングを行った。しかしその方法は左右で異なる。まず左サイド。相手CBオタメンディの前進はある程度許容し、基本的にボールへのプレスはウィリアンがいく。バークリーはデ・ブライネ番に徹し、彼へのパスコースをきり、外または逆サイドへボールを誘導した。一方で右サイドは、ラポルトに対してIHのカンテがプレッシングを開始する。カンテが明け渡したスペースはジョルジーニョがスライドすることで対応した。

 

 

 これに対し、マンチェスターシティはアグエロがライン間でボールを受けたりジンチェンコが内側でプレーすることで前進の機会を作っていく。さらにボールを受ける機会の少なかったデ・ブライネが15分以降、ブロックの外に出てCB脇でプレーしたり立ち位置を逆サイドに変えるなどしてボールにプレーする機会を徐々に増やしていった。
シティが終始ボール保持した前半だったが、両チームともに決定的なチャンスには至らず。チェルシーがデ・ブライネをブロック内で自由にプレーさせなかったことでウィークポイントの左サイド守備を減らしたことがスコアレスの前半につながったように感じる。

 

 

 

後半
 マンチェスターシティはラポルトに変えコンパニが投入される。チェルシーはそのまま。シティのプレス強度が下がるにつれ、チェルシーもボール保持の機会を得ていくが、ミドルゾーンでボールを奪われショートカウンターを食らう場面も散見された。

 

 チェルシーの攻撃で効果的だったのは、アザールの裏抜け。サイドに流れて裏抜けしたところから起点になり、質的優位を発揮。66分にウィリアン→アザールが左サイド裏に抜けてボールをキープし、長い距離を走ってきたカンテへ決定的なパスを出したシーンが象徴的だった。そのシーンもそうだが、この日のカンテは攻守に存在感を示した。トランジションでいつもの強さを見せつつ、中盤で水を運ぶ役割も果たした。延長に入っても落ちることのなかった運動量、たぶん肺が4つあるのだろう。

 

 終盤にシティはギュンドアンとサネ、チェルシーはハドソン・オドイとロフタスチークを投入するもスコアは動かず延長戦へ突入する。

 

 

延長
 5分にウィリアンに変えてイグアインを投入、アザールを左サイドへ置き、勝負に出る。シティは延長から4枚目の交代枠を得たので負傷したフェルナンジーニョを下げダニーロが入った。シティは広く展開することは少なく、比較的短いパスでボールを前進させることでカウンターのリスクを最小限にしているようだった。チェルシーアザールが一列下がったのでボール運びにも役割を果たしたが大きなチャンスを作るには至らず、スコアレスで120分終了。PK戦マンチェスターシティがカラバオ杯を制した。